【はじめに】次点で落選した経験から見た市の指定管理者募集の課題と可能な解決策 | 闘う不動産屋

「情報公開請求なんて不要です、自分の思いをぶつけてください」~東村山の不動産会社

2023年7月、当社は東京都「東村山市社会福祉センター」の指定管理者募集に応募しました。なぜ、不動産会社である当社が社会福祉センターなのかといえば、当社は社会福祉法人に勤務経験もある筆者が居住支援に強い関心を持ち、同性カップルのための住まい探しの困難解消に取り組みたいという動機で2021年4月に起業した会社だったからです。

縁あって東村山市で起業し、この街が好きになりました。地縁血縁も乏しい中、社会福祉センターを拠点として居住支援に取り組めるなら、会社も潤い、地域に貢献しながらネットワークを築いていくこともできるのではと考えたわけです。

応募したのは、これまで指定管理者として運営を担ってきた業者と当社の2社。結果は採点で圧倒的大差をつけられて当社は次点となりました。その点数についても、こちらに知らされることはなく、市議会議員を通じて知ることとなったものです。

ただ、募集から選定の経緯について、全く公正であったとは言い難いものがあります。

過ぎてみれば、公正な選定が行われていたとしても、当社は経験豊富な既存業者に勝てなかったかもしれません。しかしながら、事前に出される情報提供が不十分。その情報だけを頼りに、既存業者と優劣を競えと言われても、それはフェアではないと感じました。

情報公開請求を行うことも検討しましたが、私は懇意にしている白石えつ子議員を通じて担当者からこう言われました。

「情報公開請求などしていただかなくても結構。ご自身の思いを素直にぶつけていただければ大丈夫です」と。加えて、「今から情報公開請求したところで、資料の提出締め切りには間に合わない可能性が高いです」とも。

そこで私は、既存の事業のやり方を変えることよりも、新規事業としてどのような提案があるかということのほうが重視されているのだなと考えました。そうでないと、“たったあれだけ”の事前資料で「既存の事業のやり方」を、これまでの指定管理者も応募しているとしたら、競えるわけがないと思ったからです。

「情報公開請求できることを知っているはずなのに、請求はありませんでした」~東村山の不動産会社

ところが、プレゼンの場では、集団リンチのごとく責め立てられました。それらは、情報があれば事前に対策を練っておくことができたことも多かったです。その選考委員なる人々も最後まで自分が一切何者であるかを名乗ることもなく、とても無礼だなと感じました。

結局、先述したように応募したのは当社と今まで指定管理者だった業者だったわけですが、今までどおり当該業者に継続させることが前提だったのではという疑念さえ浮かびました。まさかそんな、悪代官と西海屋のようなことがこの期に及んであるとは思えませんが。

私が東村山市議会2023(令和5)年12月定例会の議事録を読んで心の底から腹が立ったのは、市の健康福祉部長による次の答弁です。

募集の際に公表した情報にて広く募集することで公平性を担保しており、現指定管理者の運営方針や経営状況などの情報については公開しておりません。ただ、現指定管理施設の運営状況等の一定の情報につきましては、東村山市情報公開条例に基づき情報公開請求をすることで入手できることについて、A事業者(※筆者注:当社のこと)が御認識されていたことは承知しておりますが、情報公開請求はございませんでした。

 そして、かくたかづほ議員の「情報公開請求をされてから実際にその応募までの期間というのは十分にあったという認識で大丈夫なんですかね。」という質問にはこのように答弁しています。

「期間としては十分あったというふうに認識しているところでございます。」

私が情報公開請求を検討したときの回答と矛盾しますよね。ちなみにこの健康福祉部長、プレゼンのときに無礼な選考委員軍団の中にいたらしいです。

もう指定管理者の件は私の中では過去の出来事で、応募の窓口だった地域福祉課の課長から「既存業者に有利な仕組みになっている点は否めない」という趣旨の発言を引き出したので、手打ちでいいと思っていました。
しかしながら、そういうわけにもいかないようです。自分の街のこと、政治や行政に丸投げしたり、泣き寝入りしたりしていてはいけません。もう少し、いろいろ追ってみたいと思います。

東村山市議会議事録のページ

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