創業3年目のリアル | 七転八倒の不動産屋

2024年4月、弊社は多くの応援とご支援のおかげで、創業3年目を迎えます。不動産業未経験から始まった私(阿部)自身、まだまだ不動産事業者としては道半ばどころか、数歩しか進めていない気がしてなりません。

一般的に考えれば、“先輩面”をしてこれから不動産事業を始めようという方に、講釈を垂れる資格などないのかもしれません。しかしながら、すでに成功されている方の過去の苦労話ももちろん、拝聴する価値はありますが、創業3年目のリアルとでもいうものも誰かの役に立つのならと考え、自分自身の頭の整理のためにも気持ちを綴ってみたいと思います。

不動産業の開業に経験は無くてもいい~東村山の不動産会社

まず、不動産業未経験だからといって、どこかで修行をして独立する必要はありません。これは、私が創業する前にもいろんな情報源から得ていたことですが、本当にそのとおりでした。すでに業界で雇われて働いている方の経験や人的つながりは、必ず独立後にも役に立ちますが、わざわざ無いからといってそれを求めてから始める必要はまったくないです。

やりながら覚えればいいことや、わからなければ自分で調べたり、所属している業界団体を頼ったりすればなんとかなります。地元の商工会議所や法人会などを通じて、同業者の先輩と仲良くなって指導を仰ぐとかでも全然OKです。

開業前の“ファンクラブづくり”はしっかり考えておこう~東村山の不動産会社

そして、私のように不動産業未経験で始められる方へ、強くお伝えしておきたいことがあります。それは、「誰に不動産仲介を売るのか」「お客様はどこから連れてくるのか」ということを曖昧なままで始めてはいけないという点です。

文字にしてしまうと、そんなの当たり前ではないかと思ってしまいますが、不動産ポータルサイトに物件を掲載したり、○○が得意な(強い)不動産屋ですなどと、○○の部分をいくら斬新な発想だったり、最近のトピックと思われるものにしたからといって、ほとんど集客にはつながりません。

どういうことかというと、不動産仲介業そのものや、それに付随するサービス(仲介手数料の値引きやポイント還元等)をフロントヤード商品としているうちは、同業者との競合になってしまうということです。そうなってしまえば大手や老舗、先行利益のある業者にはかないません。

ではどうしたらよいか。事前にあなたの“ファンクラブ”を作っておけばいいのです。友人関係でも、趣味のつながりでもなんでもいいのですが、意図的にそのような状態を作り出すために。また、そこから金銭的な利益を得ることもできるようにするには、不動産仲介とは別の事業を持つことです。

短い時間で信頼関係を構築する仕組みづくりを~東村山の不動産会社

不動産は高額な取引を伴うことが多く、信用や信頼が欠かせません。ですから、飛び込みのお客様はほとんど、名の知れた不動産事業者やフランチャイズ店を選びます。駅前などで高齢の男性が一人で営業しているような老舗などには、長い期間に培った地域の人々等との信頼関係やつながりといったものがあります。

では、われわれのような無名で新参の不動産事業者は長い期間をかけて、見込み客との信頼関係ができるまで霞を食って生き伸びるしかないのか。そんなわけにはいきません。

そこで別の事業を通じて、短期間で距離を縮めて、信頼関係を構築できた人を相手に、「どうせお願いするならこの人に」と思わせる仕組みづくりが必要になるのです。

「別の何かの事業」(フロントヤード商品)から、「不動産仲介」(バックヤード商品)へ。私の知っているところだと、「結婚相談所」をフロントヤード商品として、不動産仲介業を営む会社があります。結婚すればほぼ、一緒に住むための新居が必要という話になるでしょう。

また、子どもが生まれれば手狭になって住み替えを考えるという需要も発生します。当事者からすれば、それは自分たちにとって“縁結びの神様”となってくれたところが不動産屋でもあるなら、そこに新居のお世話もしてもらうなどというのは自然なことでしょう。

弊社の創業前、私にこの発想が明確にあれば、これまでの3年弱はもう少し楽にスマートに経営ができたかなと反省する反面、七転八倒したからこそ今があるのかなと思う今日この頃でもあります。

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