勝ち組ロスジェネに見られるパワハラ気質 | パワハラ防止の不動産屋(その3)

会社にとっては大事な存在~東村山の不動産会社

1976年早生まれの私(阿部)は就職氷河期世代、いわゆるロスジェネに当たります。私自身は大学にも行っていませんし、故郷の山口県で30歳までほぼドロップアウトしていたので、その不当性のようなものを感じたことはありません。

しかしながら、私と違って親や学校、世間が当たり前と考えるレールの上にちゃんと乗っかっていたにもかかわらず、切り捨てられた人たちはたまったものではなかったでしょう。

一方で、そんな厳しい状況を勝ち抜いてきて現在に至る同世代も一定数いて、2023年に50歳前後となった彼ら、彼女らは会社でもそれなりのポジションに着き始めています。企業が採用を控えていた時期に狭き門をくぐり抜けて入社した彼ら、彼女らは、今や会社にとっても大事な存在でしょう。

ただ、ハラスメントという視点で考えると、そんな“勝ち組ロスジェネ”たちは、パワハラに走りやすい属性を持っている人たちでもあるのです。

「俺たち、私たちの頃は……」は通用しません~東村山の不動産会社

まず、今のアラフィフ世代は1980年代末、元号で言えば昭和の終わりに多感な時期を過ごしています。この頃はまだ、学校で教員に殴られたり、罰として授業が終わるまで正座をさせられたりなどは当たり前。早朝から部活動、授業が終わってからも暗くなるまで部活動。

最近は「ブラック校則」が話題になりますが、人権侵害に当たるような校則も当たり前にあったし、教員はもちろん、生徒同士もお互い、校則破りを監視し合うような空気さえありました。まさに学校という空間は、社会に出てから滅私奉公するための養成所だったのです。

そういう少年少女時代を過ごし、勝ち逃げともいうべき上の世代には複雑な感情をいだきつつ、厳しい椅子取りゲームを制してきた勝ち組ロスジェネからすれば、部下に当たる今の若い世代を見ていると、「俺たち、私たちの頃は……」などと言いたくなる気持ちも理解できます。

ただ、それは通用しません。暴力も人権侵害も、労働者の切り捨ても「昔はよかった」ではなく、今ほど問題視しなくても、右肩上がりの経済や終身雇用制度などという飴で黙らせることができていただけなのです。

前回の「パワハラ防止の不動産屋(その2)」では、心理的安全性について書くと言っておきながら、話が逸れてしまいました。次は書きます、たぶん。

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