心理的安全性を高めることでハラスメントを防止 | パワハラ防止の不動産屋(その4)

考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる組織~東村山の不動産会社

パワハラはセクハラと違って、相手がそう感じたからと言って、パワハラが成立するというものではありません。業務に必要と認められる範囲の指示・指導はパワハラには当たりません。

ただ、その「業務に必要と認められる範囲」の定義や、注意の仕方や態度によっては、パワハラに当たる可能性が出てきます。

とはいうものの、それさえ相手とパワハラを行ったと言われた側とでは、これくらい許容範囲だろう、否、常識の範囲を超えているだろうという具合に、感じ方が分かれてしまうものでもあります。

では、そういう状況に陥らない、万が一、そんな状況になったとしてもこじらせないで解決するためにはやはり、社内やチーム内での日頃のパワハラに対する取り組みが必要となります。具体的には、経営陣によるメッセージの発信、明確な社内ルールの構築、社内の現状の把握、定期的に研修の機会を作るということが挙げられます。

それと同時に担保したいのが「心理的安全性」の考え方です。組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対しても安心して発言できる状態がその定義で、心理的安全性への配慮が成功している組織やチームの中にいれば、人間関係の悪化は広がることはないという安心感が共有されます。

安全だから衝突や炎上は日常茶飯事とは?!~東村山の不動産会社

心理的安全性は、組織心理学の中に登場しますが、Googleの研究チームによって知られるようになりました。その研究では、収益性を高めるには個人の能力や経験、仕事の量などよりも、心理的安全性を重視することのほうが効果があるとされています。

その研究によると心理的安全性とは、リスクを取ることを安全と考えて、自分の弱みをさらけ出せる関係性を築くことであると結論付けています。これは、単に仲良しこよしをめざすものではありません。むしろ心理的安全性が機能すれば、衝突や炎上は日常茶飯事でも平気な職場となるでしょう。

心理的安全性は職場のみんなが取り組むべき課題~東村山の不動産会社

ただ、心理的安全性の高い職場をめざすのは、決して簡単なことではありません。そして、これだけやっていれば大丈夫ということもないのです。人と人とのつながりに関して特効薬が無いことは普通に考えればわかることですが、できることから地道に続けていくしかありません。

そしてそれは上司など管理者だけでなく、社内の誰もが当事者として取り組むべき課題でもあるのです。心理的安全性の高い職場であれば、ハラスメントはあまり発生し得ないでしょう。なぜなら、心理的安全性の高い職場とは、「優越的な関係」が良い意味で機能せず、関係性がフラットな職場でもあるからです。

「できることから地道に続けていく」については、次回の「パワハラ防止の不動産屋(その5)」で考察したいと思います。

好評発売中です!

きまじめでやさしい弱者のための「独立・起業」読本
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
阿部 浩一 (著)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です