カラフルチームに参加しました【前編】 | 小学校でLGBTQを語る不動産屋

先日、ご縁あってわが東村山市の青葉小学校へおじゃまして、6年生のみなさんの前で私(阿部)のLGBTQ当事者としての経験と思いをお話しする機会に恵まれました。

野外での清掃活動などといった、さまざまな地域を良くしていくためのアクションの一環として、人権課題について選択した「LGBTQの人たちのことを地域の人に知ってもらいたい」6年生有志、「カラフルチーム」のみなさんでした。

以下、お話しするためのメモ代わりに作成した資料を編集して、紹介します。

◆自己紹介~東村山の不動産会社

阿部浩一です。栄町に住んでいて、同じく栄町で会社を経営しています。ギターを弾いて歌を作るミュージシャンもやっています。

僕はLGBTQの中でもゲイです。体も心も男性で、男性が好きな人です。だけど、それはあえてわかりやすく言っている面もあります。どういうことかというと、僕は女性を好きになったこともあるし、これからも絶対にその可能性はないとは言えないからです。

ただ、圧倒的に気持ちは男性のほうに向いています。「男性も女性も好きなバイセクシャルではないの?」と思われるかもしれませんが、自分の中では自分はゲイだと考えたほうがしっくりきます。

このようにLGBTQは4つの性的指向や性自認と「わからない」の5つがあるわけではなく、グラデーション(段階を追って色が変わる)、たとえばGとBの間にも本当は似たようないろんな色があると考えればわかりやすいかと思います。

だけど、まだまだ今の社会では、LGBTQの理解が十分とは言えません。だからあまり理屈っぽくならないように、自分はゲイですよということにしています。

◆子どもたちからの質問内容に対する回答~東村山の不動産会社

Q1.課題を広める上で誤解しないで欲しいことは何か?

①当事者にもいろんな人がいること。良い人もいれば、嫌な奴もいる、僕みたいにみなさんの前でしゃべろうという人もいれば、それははずかしいという人もいるのは何でも同じです。

②LGBTQの当事者とLGBTQの専門家は違います。僕も自分の経験や知っていることは話せても、知識を教える先生ではありません。

③「カミングアウトするのが良いこと」ではありません。言いたくなければ言わなくていいし、カミングアウトさせてあげることがやさしさというわけではないのです。

Q2.LGBTQを広める活動をしていて、広まったなと実感した出来事は何か?(人に話していてわかってもらえたこと)

僕は広める活動をしているわけではないけれど、女性のほうが理解がある、理解してもらいやすい印象はあります。それは、女性はただ女性に生まれてきたというだけで、差別されてきた歴史が長くて、今もまだそれは残っています。だから、共感しやすい面もあるのかもしれません。

その一方で、男性はそれぞれの個性は無視されるかたちで、男は強くなくてはいけない、男はお金を稼がなくてはいけないというふうに、偏った男性像を強制されてきた歴史が長いわけです。そういうことを無意識に刷り込まれてきたから、受け入れるのが難しいというところがあるのかもしれませんね。

Q3.LGBTQの人たちが声を上げられるようになったきっかけは何か?

差別されるのが当たり前だった時代から長年、粘り強く取り組んできた人たちがいる。2015年に渋谷区でパートナーシップ証明の制度ができて話題になったことは一つのきっかけ。

Q4.性自認、性的志向(嗜好)のことをカミングアウトした時の周囲の反応はどうだったのか?

もともと音楽をやったり、人前でしゃべったり、人と変わったことや目立つことが好きだったので驚かれませんでした。

Q5.性自認、性的志向(嗜好)のことをカミングアウトして思ったことはどんなことか?

自分のことではないけれど、自分はゲイだとカミングアウトした人が「それはわかったけど、じゃあ何で女の格好をしていないの?」と言われたという話があります。

昔はテレビなどメディアに出てくる「ゲイ男性=女性装」という印象が植え付けられていました。メディアは「普通のこと」よりも、「絵になること」を取り上げたがりますから。

6.性自認、性的志向(嗜好)を自覚したのはいつか?

6歳くらいかな。いつも一緒に遊んでいた同級生にドキドキしました。

7.6で自覚して変わったことは何か?

僕は自分がゲイだということで、自分は変なのかなとか、そんなふうに悩んだことがありません。それは大らかな家庭で育った影響もあると思います。それでも、病気で入院中の母親にはまだ自分がゲイだとは言えずにいます。父親はもう亡くなっていますが、妹には言っています。

母親ももう僕がこんなにおじさんになって一度も結婚してないので、勘づいているとは思います。母親に言えないのは、ゲイの当事者である僕自身も何だか申し訳ない気持ちがあるのかもしれません、そう考えると、男性と女性が結婚するのが普通だみたいな社会の刷り込みって怖いですよね、

※後編へ続く

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