音楽家は“起業”すればいい | 独立・起業

アルバイトをしながらプロをめざすのはやめよう~不動産屋のつぶやき

「音楽で飯を食うことをめざす」と言っても、音楽のジャンルやプレイヤーか裏方かなどによって、そのルートは異なります。ここでは、J-POPの世界で実演家として食べていきたい人たちのことを前提に、話を進めます。

まずアルバイトをしながら、プロとして成功をめざすというのは、もうやめましょう。退路を断ってがんばるというような発想は、今の時代にはなじみません。私(阿部46歳)は20代の頃まで、何となく周囲には音楽でプロをめざしたいような素振りを漂わせながら、非正規労働者をやっていました。それは今思えば音楽を口実に、現実と向き合うことから逃げていたのでした。

余計なお世話かもしれませんが、いま音楽で飯を食うことをめざしている方は、自分の本心が実はどこにあるのかもう一度、考えてみるとよいかもしれません。

本気で音楽での成功をめざす過程は起業そのもの~不動産屋のつぶやき

音楽は音楽として、何かもう1本の柱を持ったほうがいいです。今は会社員になったからといって、滅私奉公せよというような時代ではありません。そんな会社はそう遠くないうちに滅びます。どんな仕事に就こうが、リスクはあるのです。それならば、できるだけそれが少ないほうを選ぶのがいいでしょう。

その昔、シンガーソングライターとして大ヒットを連発した小椋佳さんは、メガバンクの銀行員として働き、支店長まで務められています。週休1日制だった頃、しかもモーレツ社員が当たり前の時代。よく作曲する時間があったなと感心します。兼業禁止規定はあっても、ゆるい時代だったのか、黙認されていたそうです。

私は音楽で成功するためにがんばれる人こそ、起業が向いていると考えています。いや、音楽で飯を食うことをめざすことこそ、起業そのものだと思うのです。音楽に限らず、芸能芸術の分野で成功を収めた人の中には、ブレイクする前にお店をやっていた人ような人も多くいます。

“自分会社”の中の音楽部門という発想を持て~不動産屋のつぶやき

起業家は、必然的にお金のこと諸々と向き合わざるを得なくなります。好きな音楽をやっていればそれでいいというお花畑の世界だけではダメなのです。会社の中にもいろいろな部署や部門があります。自分自身をそんな会社に例えてみてください。

“自分会社”の中には音楽部門があるけれど現在は赤字。だけどこの部門は自分会社にとって大事な将来の有望株だから、今は他の部門で補てんする。その他の部分は人それぞれだと思います。公務員や会社員でいることという人もいれば、IT企業を経営すること、ライブハウスを経営することという人もいるでしょう。

いずれにしても、もう1本の柱を持つことが、音楽家としての自分にとって、ブランディングにつながることもあり得ます。前述の小椋佳さんのシンガーソングライターなのにエリート銀行員というのは、唯一無二のブランドになっていますよね。

『起業家のように企業で働く』という本もありますが、音楽で飯を食うことをめざす人たちこそ、自分は起業家だと意識してほしいと思います。私だって、変な不動産屋がいるぞ!と注目されて、あいつは歌も作るらしいぞという流れになって曲が話題になるといった妄想を今もあきらめてきれていません(笑)。

 

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