どうなる?前の所有者が他人と交わした契約~不動産競売サポート
売却後であっても、前の所有者が他人と交わした契約など、それに基づいた権利が消滅せず、落札者(買受人)が負担として引き受けることとなる場合があります。主なものとして賃借権が該当しますが、これについても裁判所が出している3点セットの中の、物件明細書に記載されます。
たとえば、次のような記載があります。
①「上記賃借権は最先の賃借である。」
②「上記賃借権は最先の賃借である。期限後の更新は買受人に対抗できる。」
これは当該物件について、最も早い順位で所有者と第三者の間で賃貸借契約が結ばれているため、買受人は第三者に対して、引き続きその物件を賃貸しなければならないという意味になります。
大家さんになりたいのか、自分が住みたいのか~不動産競売サポート
こういう物件は、投資用としてならともかく、自己使用目的で落札することは避けたほうがよいでしょう。要するに、前の所有者から借りて住んでいる人に対して、私が住むから出て行ってくださいとは、原則として言えない物件なのです。
①のほうは期間の定めがない場合で、②は期間の定めがあるものとなります。期間とは、前の所有者と賃借人が締結した契約期間です。普通賃貸借契約であれば2年契約で、よほどの事情がない限り、更新が繰り返されます。
①や②の記載がある場合は、大家さんになるつもりならOK、自分が住むつもりならNGと思っていればよいでしょう。