「占有保持の訴え」と「占有保全の訴え」の違いとは | 不動産会社の法律

民法という法律は、1,000を超える条文や附則で構成されており、その全てを理解するのはなかなか困難でしょう。一方で、最も身近で、いちいち「これは民法」などと思いながら生活しなくていいほど、当たり前なことが書いてあるものでもありますね。

そんな民法は、不動産にかかわることでも欠かせない存在。たとえば「占有保持の訴え」と「占有保全の訴え」というのがあって、その違いは何だろうという話しがあります。

占有保持の訴えの条文は、次の通りです。

【第198条】
占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。

一方、占有保全の訴えは、このようなものになります。

【第199条】
占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。

保持のほうは、実際にもう起きてしまったことに対する訴えで、保全のほうは、放っておいたらヤバイことになってしまいそうな状況に対する訴えというふうに理解したらいいと思います。

隣りの家の大木が、自分ちの庭に倒れてきて、マイカーをぶっ壊してしまったようなときは占有保持の訴え。隣りの家の大木が、自分ちの庭に倒れてきて、マイカーをぶっ壊してしまう恐れがあるときは、占有保全の訴えということです。

占有保持の訴えでは、元通りにしてもらう以外に、所有者の故意・過失あれば損害賠償の請求も可です。

占有保全の訴えの場合、将来の損害発生に備えて、損害賠償の担保を提供しろと要求できます。そして妨害の危険は、主観だけではなく、客観的に認められるものでなくてはなりません。

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