6か月間タダで住める部屋はあるのか | 不動産競売

※ここはどかんニャ(占有猫)

法律の文章は読み慣れないと難しい~不動産売買~

次の問題は、2012年の司法試験、民法の15問目にあった選択肢の一つです。

建物に設定された抵当権が実行された場合において,抵当権の設定登記後であって競売手続の開始前からその建物の引渡しを受けて占有し使用している者が存在するときは,その建物の占有者は,買受人による建物買受けの時から6か月間,買受人に対する使用の対価を支払うことなく建物の明渡しを猶予される。

誤っているものを5つの中から2つ選ぶ問題。結論から言うと、正解2つのうちの一つとなります。

法律の文章というのは難解なものですが、これも結局、読み慣れた人でないと、何が言いたいのかなという感じだと思います。

区分所有マンションの競売物件で考えてみた~不動産売買~

まず、冒頭の「建物に設定された抵当権が実行された場合」というのは、マンションのローンが払えなくなって、銀行から差し押さえられて、競売にかけられたと思ってください。

ちなみに、マンション1棟すべてではなく、1部屋だけなど、マンションの一部を所有することを、区分所有といいます。

「抵当権の設定登記後」は、銀行とローンを払えなくなったら差し押さえていいよ、という“約束をした後”ということです。前と後では事情が変わってくるのも法律です。

「その建物の引渡しを受けて占有し使用している者」とは、そのマンションを借りて住んでいる人のことでいいでしょう。ローンが払えなくなったこの人は、別の誰かにこのマンションの部屋を貸して、家賃収入を得ていたのでしょう。

「買受人」は、競売にかけられたこの区分所有マンションを落札した人です。

この区分所有マンションの所有者(大家さん)が、「ローンを払えなくなった人」から、「買受人」に変わりました。

占有者?大歓迎です!!~不動産売買~

「建物買受けの時から6か月間,買受人に対する使用の対価を支払うことなく建物の明渡しを猶予される」とは要するに、この部屋をもともと借りていた人は新しい大家さんには、家賃を払わずに6か月間、住み続けてもOKだということです。この部分が「誤っている」となります。

新しい大家さんこと、買受人は、前所有者から借りて住んでいた人(賃借人)へ、「私が住むので出て行ってください」などということは可能ですが、6か月間の猶予を与えなければなりません。どうしても今すぐ出てくれということであれば、相応の引っ越し費用等の負担が必要です。

ただ、その6か月間の賃料は発生します。所有者あるいは大家さんが変更となるだけなら、賃借人にとって特段、不利益とはいえないでしょう。賃料の支払先が変わるだけで、これまでと同じ毎日が継続するだけです。

このように、競売で落札された区分所有マンションに前所有者以外の人が、平穏に暮らしているというケースは多くあります。

ですが、誰かに貸して家賃収入を得たいというように、投資目的で落札した買受人にとっては、「占有者=賃借人」がすでに居てくれたほうが、借りてくれる人を探す手間が省けて好都合というものでしょう。

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