カラフルチームに参加しました【後編】 | 小学校でLGBTQを語る不動産屋

先日、東村山市の青葉小学校にて、6年生のみなさんの前で私(阿部)のLGBTQ当事者としての経験と思いをお話しをしました。前編に続いて、後編をここに記します。

事前に先生方や大人の方が子どもたちに投げかけた質問とその回答、そしてそれに対する私の思いです。時間の関係で、ほとんどお話しすることができなかった内容になります。

Q1.地域の人たちにLGBTQの何を知ってもらいたいのか、どんなことを伝えたいのか?

子どもたちの回答:LGBTQの言葉の意味を知ってもらいたい。

【阿部浩一の思い】
みんなに理解してもらいたいけれど、何十年も教育やメディアの差別的な報道の仕方で、良くないイメージを刷り込まれてきた人の考えを変えることは簡単ではありません。

まず、どうしてもわからないことや理解できないことは「わからない」でいいと思う。理解出来ない人が、周りから責められるからわかったふりをするというのは良くないです。

だけど、思ったことを口に出したり、ネットに書いたりしていいかといったら、それは違います。人を傷つけるようなことを言ってはいけないのは、どんな対象の相手であっても同じことですよね。LGBTQだから特別扱いしなさいという話ではありません。

LGBTQ当事者の人たちが生きやすくなったからといって、当事者ではない人たちの暮らしが何か変わるわけではないのに、同性婚など、LGBTQの権利を確立しようと言ったら、文句を言う人は一定数います。やっぱり「わからない」から、怖いのですね。

あと、本人の許可なく性自認や性的指向を他人に話す、アウティングは絶対にやってはダメなことです。

Q2.自分ごととして考えた時に、日常どんなことが困難になり困ることがあるかな?

子どもたちの回答:トイレなどの公共施設などへの視線。

【阿部浩一の思い】
トランスジェンダーの人はそういうつらさやもどかしさがあるでしょう。あと日本は、男性同士が手をつないで歩いたりしていると、変な目で見られる社会ですね。女性だとそうでもないですが。

Q3.LGBTQの人たちは、自分からは遠くにいる存在だと思う?

子どもたちの回答:思わない。

【阿部浩一の思い】
「うちの会社には、うちの学校にはLGBTQはいません」何て言う人がいるけれど、世の中の理解がまだまだ進んでいないから、怖くて言えないだけなのですね、本当は言いたいと思っている当事者でも。

Q4.男らしさ、女らしさってどんなことだろう?
男のくせに!女の子だからーと言われたことはあるかな?どう思った?

子どもたちの回答:言われたことがある。感想を押し付けないで。

【阿部浩一の思い】
そのとおりですね。男らしさ、女らしさは「あってはいけないもの」ではないけれど、それを生まれたときの性別がこうだからなどと、押し付けるのは良くないです。

Q5.性のことが人権につながっていることだと意識したことはあるかな?

子どもたちの回答:ある。最近、少しずつ感じる。

【阿部浩一の思い】
日本という国の社会の仕組みは男性と女性が結婚をすることを前提に作られています。好きな人同士が結婚できない、結婚できないから異性同士なら使える制度を利用できずに、いろいろな不都合が生じます。これは人権問題ですね。

Q6.普段から「ことば」の重要性を意識したことある?

子どもたちの回答:ある。「なんでその一人称?」。

【阿部浩一の思い】
俺とか私とか僕とか、自分のことを言う言葉はいくつかありますよね。相手に通じなければちょっと困るけど、女だから、男だからというのはやっぱり変です。

あと、人の行動や気持ちは言葉が作ります。まさに「あなたはあなたが使っている言葉でできている」というタイトルの本もありますが、人を傷つける言葉を使う習慣がある人は、やっぱりだんだん怖い顔になっていくように思います。

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