同性カップルの住まい探し、その進歩と課題 | Progress&Issueの不動産屋

プライバシーにかかわる質問を根掘り葉掘り~東村山の不動産会社

LGBTQの認知度が高まり、当事者は差別や偏見を恐れて自身の話を出来ないでいただけで、実は身近な存在であることが、少しずつではありますが浸透してきています。私も当事者またの一人ですが、2024(令和6)年の今、10年前、いや5年前と比べても隔世の感があります。

2016(平成28)年に渋谷区で同性同士であっても結婚と同等であることを証明する条例、同性パートナーシップ制度ができたあたりから、潮目が変わってきたように思いますが、とはいうものの、まだまだ無理解や誤解、勘違いに基づく差別は根強く残っているのも事実です。

同性カップルが共に住む家を探す際、当事者は多くの困難に直面してきました。同性カップルの住まい探しには、大家さんや不動産業者の無知・偏見・差別に起因する困難が伴い、プライバシーに関わる質問や家族関係について根掘り葉掘りたずねる“圧力”も日常茶飯事でした。

「二人入居可」「ルームシェア可」の物件に、友人同士であると偽って入居しようとすることで感じる疎外感。平気だという当事者もいるとは思いますが、悲しい話です。

「なーんだ、そういうことですか!」~東村山の不動産会社

たとえば、はっきり「同性カップルは不可」と覚書に記載されていて、不動産屋にその真意を尋ねたところ、「男同士が手をつなぎながら歩いていたら近所の人が怖がるでしょ」と笑いながら言われたという事例もあります。

同性カップルのお部屋探し問題について話すと、「ちゃんと家賃を払ってくれるなら、そんなの関係ないのでは?」という人もいますが、得体が知れないとかケガレがどうのとか、差別とは昔からそういうものです。

前述の渋谷区の制度導入以降、全国で類似の制度を導入する自治体が増えています。議会の議決を経た条例か、首長の権限で証明書を発行できるレベルかなどという違いはありますが、社会は少しずつ変わっています。

私が知っている70代と60代の男性カップルの方は、不動産屋の担当者が怪訝な顔をしているので、やむなく自分たちの関係を告げて証明書を見せたところ、「なーんだ、そういうことですか!」と言われて、その後は話がスムーズに進んだそうです。

不動産業界というのは何においても、世の中の流れに乗るのが遅れがちな業界です。そんなところからも業界での取り組みが大切な一方、LGBTQ課題に関しては外圧がもっと強くなればという思いはあります。

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