賃貸住宅なら、暮らしを選ぶ自由が手に入る

「賃貸と持ち家はどちらがいいか」と問われれば、それは人それぞれの価値観ですというのが模範回答です。しかしながら、もっと明確に「どちらが生涯に支払うお金が多くなりますか」や、「やはり持ち家を買って一人前でしょうか」、「持ち家は財産として残るので子どもに引き継げますよね」などの問いになると、回答の内容もより明確なものになります。

1945(昭和20)年、敗戦国となった日本は住宅不足を解消するために、国民に自力で家を建てることを求めました。それによって、各地にたくさんのバラック小屋が建ちました。敗戦前の日本は特に都市部ではほとんどの人が借家住まいでした。空襲で、それらの借家は喪失してしまったわけです。

敗戦から日本が復興するためには、第二次産業へのテコ入れを重視すべしという政府の方針から、敗戦直後は住宅政策よりも、鉄鋼業や石炭業に限られた財を注ぎ込んだわけです。その後、高度経済成長期の地価上昇、手厚い各種の政策によって、「いつかは持ち家を」というのが当たり前になってきましたが、敗戦直後に国が国民に対して自力で家を持つことを推奨し、その後はそれに“お墨付き”を与えていったことが日本の「持ち家信仰」を育んでいったのです。

日本経済は人口減少と軌を一とするように、衰退傾向にあります。2023年のGDP(国内総生産)もドイツに抜かれて4位に転落したというニュースも記憶に新しいところです。

もう哲学のない「持ち家至上主義」や「土地の値上がり神話」とは、一線を画した生き方への模索が始まっていることは間違いありません。

本当のところどうなの…?

Q.持ち家は住宅ローンを払い終われば自分のものになるけれど、賃貸は一生、家賃を払わなければいけませんよね。

A.そのとおりです。しかしながら、たとえば30代で家を購入して80代まで生きたとしたら約50年。それまで、リフォームや修繕などを行わずに済むでしょうか。収入がなくなってからのリフォーム費用や建て替え費用の工面は大変だと思います。

人口減少社会で、これから住宅需要が上がっていくとは思えません。途中でうまく売却できればいいのですが。

Q&A
Q.高齢者は賃貸住宅を借りにくいと聞きます。だから、将来のために持ち家のほうが安心ですよね。

A.確かに今はまだ、高齢者だけの入居に難色を示す大家さんや不動産業者は多いです。孤独死が発生すると、物件は諸々のダメージを受けますし、認知症の発症等による周囲とのトラブルなども心配の種です。

しかしながら、これからの高齢化社会でそんなことを言っていてはビジネスは成り立たなくなります。これからの不動産ビジネスは、そういうリスクを回避できるノウハウを確立できた者が制するという面もあるのです。

また、行政も手をこまねいているばかりではありません。自治体が主体となって、各地で居住支援協議会というものが発足しています。これは高齢者や障がい者をはじめとした、住宅確保要配慮者を支援するネットワークです。

福祉に携わる人たちと、不動産事業に携わる人たちとではさまざまなバックグラウンドが異なるので、なかなかお互いの言葉が通じ合わないというところがあります。そこへ行政が介入することで円滑に進めようというものになっています。

このように、世の中はどんどん変わっています。心配はありません。

Q&A
Q.そうは言っても、土地と建物は子どもに残してあげられる資産ですよね。

A.日本の住宅は欧米と違って消費財です。また、湿度の高い気候の影響もあって建物は劣化しやすいし、豪雨や地震も多いということがあります。欧米では中古=成熟という考え方ですが、日本人は中古に良いイメージを持たないという文化の違いも、消費財たるゆえんです。

土地に関しても、建物を占有する権利という価値は高いですが、それにお金をかけて維持する値打ちがどれだけあるでしょうか。自分が何らかの用途で使用するということであれば、それも良いと思いますが。

むしろ、親の家(実家)の後始末は、子ども世代の悩みの種です。残念ながら、そのほとんどは負債ではないでしょうか。

賃貸住宅を選ぶメリット

●転居が容易なこと

ライフステージや生活様式の変化、ご近所トラブルや子どもが学校でいじめに遭ったなどの不測の事態が発生しても転居が容易なことは大きなメリットです。失業したり、収入が下がったりしたら、安い賃料のお部屋に簡単に引っ越せます。

●余剰資金が人生を豊かにする

税金や修繕費用等の支出が不要なことで、その分を別の面で生活を豊かにするための投資に充てることができます。

これから予想されること

●誰もが心配なく賃貸住宅に入居できるようになる

誰もがいずれは住宅確保要配慮者になります。官民一体で高齢者をはじめとした住宅確保要配慮者に対し、法的にも実態的にも受け入れ促進の措置がさらに進むと思われます。

●供給する側の営業努力で借主のメリットが向上

行政や民間による多様な賃貸住宅を供給する必要性が高くなります。漫然と賃貸経営をしている大家さんや、そういう大家さんから物件を預かり、何の提案もできないような不動産管理会社は滅びます。質やサービスの向上が期待されます。

代表プロフィール

阿部 浩一(あべ こういち)

同性カップルが住まいを借りるのに苦労することや、児童養護施設を卒園した若い人たちが住まいに困る問題などを知り、2021年4月に東京都東村山市で創業。市内の福祉従事者らで構成する居住支援チームのメンバーとしても活動。

宅地建物取引士。公益社団法人全日本不動産協会 多摩北支部 流通推進委員長。公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会 公正競争規約指導員。

ハラスメント研修の講師としての顔も持ち、「ハラスメント・フリー・ラボ」を主宰。公的機関等で幹部・管理職研修や相談員研修を行っている。著書に『きまじめでやさしい弱者のための「独立・起業」読本』(クロスメディアパブリッシング/インプレス)。趣味は読書と料理。ライフワークは作詞・作曲・歌。

当社が選ばれる理由

●幅広いネットワークからの適切な情報提供!

不動産業界では、同じ物件をさまざまな不動産会社が取り扱っていることも珍しくありません。業者が見ている情報は同じですから、どこの不動産屋へ行っても紹介される物件は基本的に変わりはありません。そんな中から、当社を選んでいただくために、適切な情報提供とわくわくする不動産選びの時間をお届けできるよう努力しています。

●70%が他のお客様からのご紹介のお客様!

同じ方が何人ものお客様をご紹介くださいます。だからこそ、「思いやりとやさしさ」を大切に対応を心がけております。その方のお顔をつぶすわけにはいきません。

●夜でもあなたの不動産相談にお応えします!

日中忙しくて不動産の相談が難しい方へ、夜間でも対応いたします。オンラインや来所での不動産探しの相談に丁寧にお答えいたします。概ね、20時~24時くらいを想定していますが、詳細はご相談ください。

●遠方の方でもオンラインで相談に対応!

当社は東京都東村山市にオフィスを構えていますが、遠方からこちらへお越しいただく必要はございません。内見は現地で待ち合わせ、オンライン重説にも対応しています。

【参考図書】井上明義『「持ち家」という病』(PHP研究所)